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論文2026.09.09

前原さんの研究が国際学術雑誌「Analytica Chimica Acta誌」に掲載されました

本学大学院の前原奏太さん(M2)による研究が、国際学術雑誌「Analytica Chimica Acta」に令和8年8月2日付でオンライン掲載されました。


雑誌名:Analytica Chimica Acta
論文タイトル:Measurement of stable isotope ratios of halogenated organic compounds by liquid chromatographic, high-temperature combustion isotope ratio mass spectrometry(液体クロマトグラフィー高温燃焼式同位体比質量分析によるハロゲン化有機化合物の安定同位体比測定)
著者:Sota Maehara, Hiroto Kawashima, Sachi Taniyasu
Webサイトhttps://doi.org/10.1016/j.aca.2026.346061


トリクロロ酢酸(TCA)やトリフルオロ酢酸(TFA)に代表されるハロゲン化有機化合物は、消毒副生成物や難分解性の環境汚染物質(PFASなど)として国際的に懸念されています。これらの化合物は炭素―塩素・炭素―フッ素結合が非常に強固なため、安定同位体比の分析が困難でした。


本研究では、燃焼温度200~600℃・高圧5.2 MPaという、従来よりも高温高圧である燃焼インターフェースを新たに作成し、液体クロマトグラフ-安定同位体比質量分析計(LC-IRMS)に連結させました。この手法により、塩素・臭素を含む酢酸類(TCA、TBAなど)では、従来法では困難であった炭素回収率94~108%、同位体比の誤差±1‰以内という高精度・高確度の測定を達成しました。特にTCAは、これまでLC-IRMSでの信頼できる測定が難しいとされてきた化合物であり、今回、複数メーカーの試薬全てで安定した測定に成功したことは大きな前進だと考えています。一方、フッ素を含む化合物(TFA、PFPrA、PFBAなど)については、C-F結合の強さゆえに酸化が不完全となり、依然として大きな同位体分別が見られ、今後の酸化条件のさらなる最適化が課題として示されました。また、芳香族塩素化合物やフェノール類にも本手法が適用可能であることが確認され、水溶性の芳香族汚染物質の環境動態解明への応用も期待されます。


本研究は、川島が研究代表者を務める科学研究費補助金・基盤研究(A)(課題番号21H04929)「安定同位体比を用いた水溶性有害化学物質の環境挙動の解明」の助成を受けて実施されました。



この記事を書いた人
川島 洋人 (教授)
Hiroto Kawashima

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