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学会発表2026.09.23

第67回大気環境学会年会にて発表しました

令和8年9月16日~18日に東洋大学川越キャンパスで開催された第67回大気環境学会年会に、本学大学院修士課程/沢部麦さん(理工学研究科システム理工学専攻)が発表を行いました。  


★沢部麦さんのコメント


口頭発表のタイトルは「バングラデシュにおける窒素・酸素安定同位体比を用いたPM2.5中の硝酸塩の発生源解析」です。PM2.5による大気汚染は世界中で問題となっており、南アジアに位置するバングラデシュは最も深刻な状況です。本研究では、バングラデシュの首都・ダッカのPM2.5に含まれる硝酸塩(NO3−)の発生源と生成経路を、それぞれ窒素と酸素の安定同位体比(δ15N、δ18O)を用いて定量的に推定しました。結果としては、6月〜9月は昼間のNO3−生成が9割以上だったのに対して、12月〜翌年2月は夜間の生成が増加した可能性が示唆されました。また、前駆体である窒素酸化物(NOx)の発生は自動車排気やバイオマス燃焼が大部分で、約7〜8割を占めることが判明しました。

ポスター発表のタイトルは「向流接触管(CCFT)サンプラーを用いたアンモニアの窒素安定同位体比測定法の開発」です。大気汚染物質の前駆体であるアンモニア(NH3)の発生源解析は、NO3−と同じく、δ15Nを測定し、そのデータを用いて行う方法が有効とされています。しかし、従来のサンプリング方法次第では、δ15Nの値が変わってしまうことが問題となっていました。本研究では、向流接触管(CCFT)という特殊なガラス管を用いて、δ15N値が変化せずにNH3を捕集できる、新たなサンプラーの開発を目指しました。従来法とCCFTで同時捕集・比較した結果、大気濃度400μg/m3までのNH3は概ね問題なく捕集できることが分かりましたが、これを超える濃度域の捕集については課題が残りました。

約1年ぶりに口頭発表を行いましたが、内容や順序だてには大きな進歩を感じられた一方で、限られた時間での簡潔・適切な回答が求められる質疑応答については、まだまだ難しいと感じました。しかし、その後のポスター発表については、聞いてくださっている方と一対一でじっくり話すことができたため、良い議論を行えて、今後の研究の参考になるようなご意見も沢山いただくことができました。中には、口頭発表でうまく答えられなかった部分を、硝酸やアンモニアなどがご専門の方がポスターのところまでいらして、考え方のポイントを教えてくださることもありました。本当にありがたいと感じています。

今回は、“大気環境”学会ということで、自分の研究内容と絡んできそうなテーマが多く、聞いていてとても勉強になりました。PM2.5のモニタリングや成分解析などは、特に近いテーマなのでもちろんですが、光化学オキシダントや自動車のブレーキ粒子の研究などは、少し離れたテーマながらも近年熱い研究対象で、そのような最前線の話をいくつも聞くことができ、非常に充実した時間となりました。
また、この学会には一昨年から3年連続で参加していますが、今回嬉しかったのは、発表を聴講していて、去年よりも「わかる、面白い」と感じることがかなり多かったことです。「自分の研究と似ているところや、違うところは何か」のように疑問を持つポイントが増えて、もっと知りたい、調べてみたいという研究への欲が湧いてきました。


前回の国際エアロゾル会議に続いて、今回も川島先生には大変お世話になりました。また、共同研究をしてくださった大阪公立大学の藤井先生や橘さんにも、深く感謝申し上げます。得られた学びや経験は、自分の中で完結させることなく、研究室に少しでも共有して、活かしていきたいと思います。





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